故蝋山 高岡短大学長の講演

藻谷浩介氏の講演

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交通ネットワーク委員会提言

万葉線コラム

鉄ちゃん王国 連載

LRTで街を変える


「燃料電池で電車が走る」  2006年 7月
「路面電車、富山市で始動・地方都市再生の呼び水」  2006年 7月
「路面電車で街を活性化させる」  2003年 10月 15日
「携帯電話を利用したユビキタス・ネットワーク社会と路面電車」  2003年 11月 1日
「架線いらずの路面電車」   2003年 8月 21日

「技術&イノベーション」   2003年 8月 21日


「燃料電池で電車が走る」
JR東日本が開発のFCハイブリッド鉄道車輌のベースとなる「NEトレイン」

縄岡正英・日刊工業新聞社 / ほうじん 2006.7

 水素と酸素を化合して電気を発生させる燃料電池(FC)―。環境負担が低い電源として市場拡大が期待されるFCは自動車、パソコンなどの分野で実用化に向けた取り組みが進んでいる。さらに鉄道車輌にも活用できないものか。そう考えたJR東日本は、世界でも初めてとなるFCハイブリッド鉄道車輌の開発に着手した。7月に試作車輌を完成し、07年4月から本線試験走行を始める計画だ。

 同社が開発する車輌は、FCと蓄電電池の両エネルギーを組み合わせてモーターを駆動させるハイブリッドタイプ。1輌1編成で、車輌床下のタンクに積んだ水素と大気中の酸素を化合して発電する。出力65キロワットの固体高分子形FCを2台搭載し、最高時速は100キロ。

 FCは燃料の水素を製造するプロセスを別にすれば、温暖化の原因とされる二酸化炭素は発生しない。水素を燃料に使うことで石油など化合燃料への依存度も下がる。電力を車輌に供給する架線が不要となり、路線の上空を有効活用できるほか、景観の向上にもつながる。余った電力は蓄電池に回収して省エネに役立てる。

 車輌は03年にディーゼルエンジンと蓄電池を組み合わせて試作開発したハイブリッド車輌「NEトレイン」を改造し、発電機をFCに置き換える。燃料電池の性能や環境負担の低減効果、水素の供給方法などについてデータを収集し、実用化を目指すという。


「路面電車、富山市で始動・地方都市再生の呼び水」

青山影久・読売新聞東京本社解説部次長 / ほうじん 2006.7

富山市で4月にスタートした新たな路面電車システム「LRT」に注目が集まっている。まちを無秩序に郊外へ広げて中心部を空洞化させ、公共交通を衰退させた反省が背景にある。LRTは、人口減少社会を迎えた日本の地方都市を再生する手掛かりになるのか。

 LRTは、「ライト・レール・トランジェット」(軽量軌道交通)の頭文字で表されるように、新しい都市の公共交通システムを意味している。その特徴は、@高齢者や子供・障害者が乗降しやすいように電車の床を低くするA軽い車体と新型レールで騒音や振動を少なくするB市街地では低速で走り、郊外では高速運転をするC同じホームでバスに乗り換えられる駅をつくる−などにある。

 LRTが注目されるのは、車社会でマヒした都市交通を再生させ、空洞化した中心部の再生につなげようという動きがあるからだ。二酸化炭素の排出量削減という環境対策も込められている。1980年代以降、ヨーロッパのまちで、既存の路面電車を再生させる試みとして広がった。

 日本の路面電車は、1895年(明治28年)に京都市で走り始めたのが最初だった。以後、都市が膨張した大正時代に普及し、1932年(昭和7年)には65都市に計1480キロの路線があった。その後、高度成長期に車が増えてくると、道路渋滞の元凶とみなされ、次々に廃止された。現在、残っているのは17都市。路線延長も219キロにまで縮小した。

 だが、多くの都市では郊外に住宅地を広げた結果、中心部へ向かう道路は車で埋め尽くされた。駐車場の少ない中心街は嫌われ、大型店は郊外に乱立した。その結果、90年代後半から中心街の衰退が際立ってきた。また、政令指定都市では競って地下鉄を建設してきたが、巨額の建設費を償還できずに行き詰まりも目立ってきた。

 ここにきてLRTで都市交通の再生を検討するのは、路面電車の発祥の地の京都市、堺市、宇都宮市など、約60都市にのぼる。

 トップを切った富山市の場合、富山駅から北に延びていたJR富山港線の廃止問題が契機になった。市は、鉄道の廃線跡を道路に変えずにLRT化することを計画。市と県と経済界が出資して第三セクター「富山ライトレール」(社長=森雅史・富山市長、資本金4億9800万円)を設立した。施設投資と保守は第三セクターが行って運行は民間に委ねる「公設民営型」とし、JR線8.0キロのうち6.5キロを引き継ぎ、1.1キロは市道を走る電車として設計。4月29日から営業を始めた。

 低床式の電車と、樹脂を使った新型の路面レールを採用した。駅を増やし日中は15分間隔で運転する。路面では低速だが、旧JR線に入ると時速60キロに加速する。

 だが、課題は多い。車輌など初期投資は58億円かかった。運営経費だけでも今後10年間は年間2000万円から3000万円の赤字。

 新しい電車を走らせれば済むのではない。これを契機に全体のまちづくりを動かさなければ意味がない。LRTが成功した仏・ストラスブール市では、同時に中心部への車の乗り入れを規制し、LRTと歩行者だけが通れる道「トランジットモール」を整備している。「人口減少と少子高齢社会を迎えた今、地方都市は『美しい縮み方』を見つける必要がある」と鈴木浩・福島大教授(都市計画)は提唱する。中心部を暮らしの場として再生させて交通システムをつくり、これ以上は街を広げない「コンパクト・シティ」という思想だ。今回のLRTが新しいまちづくりを生み出せるのか。富山の実験の意味は重い。


「路面電車で街を活性化させる」

現在、全国の19都市にある数少ない路面電車が富山市と高岡市で走っている。戦後、自家用車の増加と平行して次々と路面電車が廃止される中で、富山市内の路面電車は路線拡充を行うことを決定した。新規の軌道としては昭和57年に豊橋で路線が新設された以来、実に20振りであり、街の活性化にも期待が膨らむ。

2002年3月より第3セクターとなった高岡市の万葉線は今年9月から商店街と連動して路面電車初の試みとなる、無線LANの設置を行った。また、万葉線にデザインを一新した新型車両も発表した。来年1月から運行開始予定となる。

両路面電車は同時に利用促進にも力を入れる。富山市では市内観光利用に「路面電車と松川遊覧船の旅」を企画し、路面電車と遊覧船が1日フリーになるサービスを提供している。
また、万葉線では電車運転体験や電車と記念撮影などのイベントを揃えた電車祭りや観光名所である新湊市海王丸パークと連携したイベントも企画し、路面電車の利用者増に取り組んでいる。

富山市の路面電車はどこまで乗っていても200円の均一制料金。高岡−新湊の万葉線も終点まで乗っても350円と低料金である。
21世紀の高齢化社会と環境問題に対応する路面電車の担う役割は大きいが、車社会の中乗車リピータ確保策が全国的にも大きな課題である。


「携帯電話を利用したユビキタス・ネットワーク社会と路面電車」

 携帯電話はその利便性と機能性で利用者数を伸ばしている。近年では、携帯電話からのインターネットの利用も気軽に行える。路面電車にGPSを搭載すれば、今どこを走っているのかなどをインターネット上から利用者に知らせることができる。また、路面電車に乗りながら各停車場周辺の飲食店やショッピング、観光地などの情報やイベント情報を調べることもできる。

 いつでも、どこでもネットワークが利用できるユビキタス社会は屋外でもインターネットを利用することが可能となる。建物や構内など限られた場所だけではなく外に出てもネットワークに繋がるという利便性は人々を外へ、そして街へと向かわせる。路面電車、あるいは地域を住空間となる環境作りが期待される。

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「架線いらずの路面電車」

 次世代の路面電車は架線がありません。鉄道総合技術研究所は20日、電線からの電力を取り入れるのではなく、車体に積んだバッテリーで自力走行する路面電車を世界で初めて開発し、報道陣に公開した。5年後の実用化を目指す。
 1回の充電で15キロ程走れる。バッテリー寿命などの課題は残るが、実用化されれば、架線を市街地に張り巡らす必要がなくなるため、都市景観の向上が期待できる。全国で消えつつある路面電車の生き残りにもつながる。
 同研究所によると、バッテリーには急速な充放電が可能で、ハイブリッド自動車などに使われる「リチウムイオン2次電池」を使用。停車時なら空の状態から約6分でフル充電でき、走行中も、ブレーキ使用時のモーター駆動で生じる電力の最大75%をバッテリーに還元する。
 実験では、路面電車の法定速度時速40キロを上回る55キロを記録。フル充電状態から電池容量が約半分になるまで約15キロ走行できた。

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「技術&イノベーション」

技術&イノベーション JR東北本線、宇都宮〜黒磯間の田園地帯を1両のディーゼル車が走ること自体、珍しいが、実はこの車両、ただのディーゼル車ではない。軽油を燃料とするディーゼルエンジンとモーターを組み合わせた最新のハイブリッド車なのだ。

 このハイブリッドディーゼル車「キヤE991系」は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が2000年にスタートさせた「NE(New Energy)トレイン」開発プロジェクトから生まれた。東北本線を走る車両は今年4月に発表した実験車で、本来は旅客用だが、現在はデータ収集のための機器だけを積んでいる。
 キヤE991系の第一の特徴は、現行のディーゼル車「キハ110系」と比べて、燃料を約20%向上させたことだ。運転条件などによって変動するものの、1リットルの軽油で走れる距離は、キハ110系のおよそ2.0kmに対して、キヤE991系では2.4kmに延びた。その一方で、排ガスに含まれる粒子状物質(PM)、窒素酸化物(NOx)などの量は、約半分に削減した。

非電化区間は全国の3割
 鉄道会社が次世代ディーゼル車の開発に力を注ぐ背景には、環境対策と同時に非電化区間の事業の採算性を上げたいという事情がある。
 ディーゼル車は1950年代半ばまで国内旅客用列車の主役だったが、エネルギー効率の高い電車の普及によって、存在感が薄れていった。しかし、電化工事に巨費を投じても回収が見込める都市部とは異なり、地方では今も地域住民の足としてディーゼル車が活躍している例が少なくない。非電化区間が占める比.率は、国内の全鉄道路線で約3割、北海道では8割に上る。そして、その多くが鉄道会社の経営を圧迫する赤字路線だ。

 JR東日本が開発したハイブリッドディーゼル車は、燃料コストの削減によって赤字問題の解決を目指す"新兵器"と位置づけられる。鉄道車両の動力にハイブリッド方式を導入したのは、世界でもこれが初めてだ。
 ハイブリッドと言って、多くの人がまず頭に浮かべるのは、トヨタ自動車の「プリウス」をはじめとするハイブリッド自動車だろう。
 自動車に導入されているハイブリッドシステムには大きく分けて2つの種類がある。エンジンとモーターを交互に使う「パラレル方式」と、エンジンで発電機を稼動させ、モーターのみで走行する「シリーズ方式」だ。JR東日本のハイブリッドディーゼル車では、このうちシリーズ方式が使われている。



 モーターで走るシリーズ方式を採用する中で、新システムの要として、特に研究開発に力を入れたのはバッテリーの機能だ。
 ハイブリッドディーゼル車でバッテリーは、「回生エネルギー」の利用という重要な役割を担う。回生エネルギーとは、車両にブレーキをかけた時、モーターの回転数の変化によって生じる電気エネルギーを指す。電車では通常、この電気が架線を通じて他の電車に送られ、有活用される。モーターを搭載しない従来のディーゼル車では、回生エネルギーは発生しないが、ハイブリッド車では電車とは違った形でこれを利用し、エネルギー効率を上げられるようにした。

 電車では回生エネルギーが車両間で融通されるのに対し、ハイブリッドディーゼル車では「自家消費」が基本となる。ブレーキをかけた時に生じる電気をバッテリーに蓄え、必要に応じてモーターに送り込む仕組みだ。1度のブレーキ操作でバッテリーに蓄えられる電気の量は約1キロワット時で、バッテリーの総容量の10%程度に相当する。
 この電気は、モーターに大きな負荷がかかる加速時や急勾配の坂を上る時などに使われる。これによって、発電機を動かすエンジンの回転域を安定させ、燃料の浪費を防ぐ。

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