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| 黄金色の稲穂をかき分けて疾走するオリジナル車両 |
富山県は面積、人口とも日本全体の百分の一。つまり1%です。こんな狭いエリアに多くの鉄道・軌道が走っています。JR線は北陸本線、高山本線、城端線、氷見線の4路線。新幹線は平成26年度末に開業予定です。さらにローカル私鉄としては全国トップクラスの営業距離を誇る富山地方鉄道があります。
地元での愛称は「地鉄」。中国から来た多くの人が看板を見て「富山には地下鉄があるんですね」と感心するという笑い話があります。なぜなら、中国語で地下鉄は地鉄と書きますから。
それはさておき、地鉄は本線(電鉄富山−宇奈月温泉間53.3k)、立山線(寺田−立山間24.2k)、不二越線(稲荷町−南富山間3.3k)、上滝線(南富山−岩峅寺間12.4k)の計93.2キロ。これは阪神電鉄の40.1kmはもとより、東京の大手私鉄・京王、京急を超えるのですから、立派なもの。余談ですが、電鉄富山のように、「電鉄」を冠した駅名が多いのですが、これは地鉄の前身が「富山電気鉄道」だった名残です。
さて、地鉄は営業キロが長いだけではありません。ローカル私鉄といえば、全国どこでも最高時速60kmぐらいでトコトコ走るイメージですが、地鉄は速い! 85kmは軽く出る。これは直線区間が多い上に、かつて線路を支える路盤の整備に力を入れた結果でもあります。なんでもそうですが、基礎とか足元が大事なのです。
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| JR北陸本線と並行する地鉄本線(右)=滑川駅近く |
面白いのは、JR線(旧国鉄線)と並行している区間があることです。本線の西滑川近くから魚津市経田近くまでです。この区間はJR線2本と地鉄1本の計3本のレールが並んでいて、並行して走る電車を見ることができます。これは、田舎では大変珍しい光景ですね。「JRで行こうか、地鉄にしようか」など、都会並みの会話が出来るのですから。
並行区間は本来、認可が下りることが難しかった路線です。なぜなら国鉄を経営している鉄道省に認可申請しなくてはならなかったのですから。これを地鉄の創業者・佐伯宗義は、列島の大動脈である国鉄と地方のローカル私鉄では意味合いが違うとして、「並行すれども競争せず」と主張、認可を得たそうです。黒部市堀切では、JR線の上を高架で渡る地鉄電車が見られます。佐伯の意気込みが伝わってくるようですね。ついでに言えば、佐伯は立山黒部アルペンルートを切り開いた立役者でもあり、現在では想像もつかないような発想と実行力の人でした。
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| JR線の上を地鉄電車が走る珍しい光景=黒部市堀切 |
地鉄の電車としては、白の車体に赤のラインがすがすがしいオリジナル車両のモハ14760系もありますが、銀色の車体に赤のラインが入った西武鉄道の旧レッドアロー号、上半分が黄色で下半分が緑色の旧京阪電車(元の塗装は赤と緑)も走っています。都市を彩ったかつての雄姿をもう一度見て、乗ることができるのです。
さらに言えば、高岡と射水市(旧新湊市)を結ぶ万葉線は、かつて地鉄から分離された加越能鉄道の路線でした。富山市のポートラムは前身がJR富山港線ですが、これも一時期、地鉄の路線だったのです。県内地域交通をすべて担おうとした佐伯氏の熱意が、今、鉄ちゃん王国として残されていると言ってもいいかもしれません。
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