
【デマントバス―高知県中村市】
人口約三万五千人の市です。土佐の小京都といわれる観光地で、中心市街地は碁盤の目状態に道路が走っていますが、道路の幅が狭く駐車場も不十分なため渋滞が発生し、商店街の空洞化も進んでいます。これら問題の解決策として考案したのがデマンドバスです。これまでも同市は「中村まちバス」を二時間おきに運行していましたが、平成十二年四月から電話や市内十ヶ所に設置した情報端末から乗車を希望すれば、既存のバス停二十八ヶ所に加え、官公庁や病院といった公共施設など二十九ヶ所で乗り降りできるようにしました。さらに平成十二年十一月からの実験では、一車線化と一方通行規制を敷き、交通量や路上駐車削減効果、歩行空間の確保、イベント実施による商店街活性化効果などを検証しています。
■自転車を利用したTDM
【自転車で観光の機動性アップ―奈良市】
奈良市は世界遺産・東大寺を抱える国際観光都市であり、年間千四百万人の観光客が訪れます。しかし観光施設が集中しているなら公園周辺では休日の観光交通が招く交通渋滞が問題になっています。昨年十、十一月の日祝日を中心とした延べ十三日間、実験を行いました。市内七ヶ所にサイクル゚ートを設け、計三百九十台の自転車を用意し、どのポートでも乗り捨て可能としました。また、パークアアンドバスライドには五ヶ所計千二百五十台分の駐車場を設け、利便性の高いレンタサイクルと組み合わせることにより、観光客の機動性を改善し、しない中心部への自動車流入を抑えることを目指しました。実験後のアンケートでは、乗り捨て可能なレンタサイクルの利用により、約七割の人が「予定していたより立ち寄り場所が増えた」、また約七割の人が「それぞれの立ち寄り場所でゆっくりできた」と回答しました。
マイカーで来訪し、レンタサイクルを利用した人の約九割が「次回来訪地味も利用する意向あり」と答え、約五割が「次回来訪時に同レンタサイクルがなければマイカーなどで周遊」答えています。
【急行バスの利用促進に自転車を活用−広島市】
広島市では急行バスを軸とし、その端末手段に自転車を活用した社会実験が実施されました。広島の三角州部分には企業や商店、官公庁などが集まっているため、自動車交通が集中し、慢性的な交通渋滞が発生しています。福田・高陽・可部の郊外三地区には急行バスが運行
されていますが、平成十二年九月二十日から十一月三十日までの実験では、呉、熊野、美鈴が丘の三地区にも新たにノンストップの急行バスを運行しました。六つの各路線にレンタサイクルのサービスを行うポートを一つずつ置くとともに駐輪場、場所によっては駐車場を設けました。路線上にはバスレーンのほか、急行バスが普通バスを追い越すためのバス優先ゾーンを設けました。一方、都心部では、主要地点五ヶ所で自由に貸し出し・返却ができるレンタサイクルのサービスを行いました。自転車の総数は約百五十台で、モニターは一ヶ月千二百円、モニター以外は一日百円で利用できるというものです。現在、利用客などへのアンケート調査結果、効果把握のための各種調査結果を分析し、評価の取りまとめを行っているところです。
■鉄道を利用したTDM
【駐車スペース確保で電車利用促す−熊本市】
城下町として知られる熊本市では、中心部で朝夕、通勤交通による渋滞が慢性化しています。熊本都市圏の自動車保有台数は八年前に一・四倍に増えており、九州他都市圏と比べても高く、北東部では大規模住宅開発に伴う居住人口増加が予想されています。(平成七年―三十七年の伸びは都市圏平均六パーセントに対し六九パーセントの見込み)。北東部に延びるJR豊肥線では利用者が増加傾向にあり、通勤時における運行本数が増加するなど輸送能力が拡大しています。実験は、この沿線にある武蔵塚(熊本市)と肥後大津(大津町)の両駅で大型スーパーの駐車場を利用して自家用車から電車に乗り換えるパークアンドライド、原水液(菊陽町)に駐輪場を設けたサイクルアンドライドの二種類からなります。機関は一月九日から三月八日までの平日です。熊本市内に通勤・通学している人にモニターになってもらい、パークアンドライドの参加者は駐車場を利用する代わりにスーパーの商品券を一ヶ月五千円で購入するしくみで、電車の運賃は自己負担となります。二月九日時点で百六十四人が実験に登録しています。
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【 通勤・業務で低公害車共有−神奈川県海老名市】
海老名市は平成十二年一月から三月まで、市の職員と通勤者が超小型の低公害車を共有する「エコ・パークアンドライド」を実施しました。これは、電車通勤する市内在住の十人のモニターが朝、自宅から各実験車で駅に向かい、駅前の駐車場に車を止め、電車できた市の職員がこの車を使って出勤するというものです。日中、この車は市の業務に活用し、終業後は元の場所し返し、電車で戻ったモニターがこれに乗って帰宅するというしくみです。 平成十二年十一月中旬から今年三月中旬までの間、再度「社会実験」に取り組んでいます。昨年度の実験との違いは、民間事業所による日中の業務利用、駅周辺の複数駐車場での車両受け渡し、実験参加モニターからの料金の徴収があります。また、モニターも長期モニター十三人と短期モニター数人に拡大し、車両も二十台に増やしました。
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■空間確保による交通の円滑化
【駐車場の活用と荷さばき整序化で路上駐車を削減 ―東京都渋谷区】
渋谷は商業・業務機能が高度に集積し、人も車も非常に混雑しています。路上駐車が多い中、さらに目的地に近い場所で荷さばきをしようとする車が交差点内や二重駐車の形で違法駐車する光景も見受けられます。しかし渋谷は広幅員の道路も多く、平日は駐車場も十分な空きがあります。そこで平成十二年十月十日から十一月三十日まで交通の円滑化と端末物流の効率化を図るための実験を行いました。内容は、@駐車場への案内・誘導による路上駐車の削減、A外周部の大型駐車場の利用を促すための連絡バスの運行、B一部の駐車場で三十分以内の利用に限り駐車料金を無料化、C荷さばきスペースの確保による物流の円滑化、D歩道上の放置自転車の整序による歩行空間の確保からなります。これら各施策により路上駐車が減少し、駐車場利用率が向上したほか、交通の円滑化が見られました。例えば、公園通りの約五百メートルの区間では、北意気の走行時間が約九十秒から約六十秒に短縮されました。また、荷さばきの横持ち距離が短縮するなど、物流効果も見られました。歩道では自発的な自転車の整理が見られ、歩行空間が広がりました。
↓公園通りでは両側駐車がなくなりバス同士のすれ違い待ちがなくなりました。

【自転車通行帯確保で渋滞解消を−香川県高松市】
高松市では平成十二年十一月一日から十一月三十日まで、実験として三つのポートで乗り捨て可能なレンタサイクルシステムを導入しました。併せて、自転車利用を促進するための空間確保を行いました。対象地域の商店街アーケード内では、自転車と買い物客との錯綜により安全が脅かされている一方、店舗の前には放置自転車が散乱する状況が見られます。そこで、中央に自転車通行帯を設け、歩行者はこの通行帯と店舗の間を通行することにしました。その結果、歩行者が約六五パーセント、自転車が約八○パーセントレーンを守って通行しました。安全性については自転車・歩行者とも「向上した」と答えた人が前半で三〇パーセント程度、ラインにコーンを加えた後半で四○パーセント程度に伸びています。県道高松丸亀線では従来から、右折車両と駐停車車両が直進車の走行を阻害し、片側三車線のうち第二車線に走行が集中する変則的な渋滞が起きていました。実験では十一月二十七日から片側二車線にして自転車道を確保するとともに、交差点部では右折専用レーンを設け、タクシーベイを効率的に配置した結果、渋滞状況は改善されました。

