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 目的地までの過程も旅のうち。鉄道旅行ではそんな楽しみを存分に味わえる。鉄道の専門家にお薦めの行楽列車を挙げてもらったところ、大井川鉄道のSL急行「かわね路(じ)号」=写真=と、JR九州の「ゆふいんの森」が首位を分け合った。
 旧国鉄からSLが惜しまれつつ姿を消したのが1975年。大井川鉄道はその翌年から国鉄などからもらい受けたSLを走らせている。蒸気機関車を運転できる状態で保存する「保存鉄道」は欧州各国で盛んだが、日本では大井川鉄道がそのモデルケースといわれる。
 かわね路号は、ピーク時には1日3往復。SLおじさん(添乗ガイド)の名調子とともに寸又峡温泉など沿線の名所にいざなう。

 ゆふいんの森はJR九州自慢の「高原のリゾートエクスプレス」。先頭はドーム型の独特のマスクで、車内は天然木をふんだんに利用し、森の別荘を思わせる空間を演出した。車内では「ゆふいんレディ」と呼ばれる客室乗務員が車内の案内やビュッフェの営業、グッズの販売などにあたる。
 3位の黒部峡谷鉄道は、トロッコ列車の草分け。風に吹かれつつ、壮大な渓谷美を堪能できる。もともとは黒部ダムの建設資材運搬のために建設され、当時の乗車券の裏に「命は保証しません」と記されていた秘境の鉄道だ。
 最近姿を消しつつある寝台車だが、北海道行きの2列車は健闘した。トワイライトエクスプレス(4位)とカシオペア(5位)は、最も豪華な2人用個室を全区間乗車すると、いずれも1人4万円以上かかる。予約制フルコースディナーも1万円前後するが、寝台車、食堂車とも満席状態だ。
 伊豆急行のリゾート21(6位)は普段、全席自由の普通列車だが、週末に「リゾート踊り子号」として東京駅まで乗り入れる特急としても利用される。飛行機や自動車との競争が激しいため、鉄道各社は地域独自の列車の投入に熱心だ。夏休みは近い。鉄道を組み入れた旅行計画を立てるのもいいだろう。

【電話で予約OK、運転日に注意を】
  JRの特急券や指定券などは、みどりの窓口などで1カ月前から発売する。プッシュホン機能のある電話なら空席紹介や予約ができる(主な時刻表にその方法や各地の受け付け電話番号掲載)。インターネット予約には「サイバーステーション」(http://www.cyberstation.ne.jp)の会員になる必要がある。
 大井川鉄道のSLは本社への電話(電話0547・45・4112)で原則3カ月前から予約受け付け。黒部峡谷鉄道も同じく3カ月前から営業センター(電話0765・62・1011)への電話か郵送で予約を受ける。両社とも大手旅行会社の取り扱いがある。

  臨時、季節運転の列車もあるので注意したい。

1 SL急行「かわね路号」(大井川鉄道、金谷〜千頭) 450
年間を通じほぼ毎日運転。
大井川沿いの山、川、茶畑とバラエティーに富んだ景観が楽しめる。
1 特急「ゆふいんの森」(JR九州、博多〜別府、由布院) 450
車両のデッキが高く展望抜群。
由布院の宿の料理長たちの研究による「ゆふいんの森弁当」も人気。
3 トロッコ列車(黒部峡谷鉄道、宇奈月〜欅平) 400
41のトンネル、21の鉄橋を渡り黒部峡谷へ向かうスリル満点の旅が楽しめる。
沿線には温泉も多い。
4 寝台特急「トワイライトエクスプレス」(JR西日本、大阪〜札幌) 370
サロンカー、豪華食堂車を併設。
下り列車(札幌行き)は日本海に沈む夕日が見られ、特に人気。
5 寝台特急「カシオペア」(JR東日本、上野〜札幌) 360
すべてA個室寝台。
食堂車は景色が楽しめるよう2階席となっており、ラウンジカーも併設。
6 「リゾート21」(伊豆急行、熱海〜伊豆急下田など) 350
運転士気分の先頭展望席、海向きスペシャルシート、トンネル内で星が輝く天井など趣向様々。
7 快速「リゾートしらかみ」(JR東日本、秋田〜弘前) 320
有名ローカル線の五能線を経由。
展望ラウンジでの津軽三味線演奏など楽しみ盛りだくさん。
8 「くしろ湿原ノロッコ号」(JR北海道、釧路〜塘路、標茶) 240
ラムサール条約登録国内第一号となった釧路湿原の大自然をトロッコ列車で満喫できる。
9 特急ロマンスカー(小田急電鉄、新宿〜箱根湯本、片瀬江ノ島、沼津など) 210
昭和30年代から運転されている歴史ある豪華特急。
最前列を展望席とした列車の草分け。
3 特急「伊勢志摩ライナー」(近畿日本鉄道、上本町・京都・名古屋〜賢島など) 210
サロンカーやデラックスシート、パノラマデッキなどを用意、リゾート気分を満載。
【調査方法】NIKKEIプラスワンから抜粋
全国の60余りの行楽列車の中から、専門家14人にお薦めのものから順にA、B、C3ランクに分けて5つずつ挙げてもらった。行楽列車は新幹線を含まず、観光地を通って運賃以外の料金が必要であることを原則とした。配点はA、B、Cそれぞれ50、30、10点。
選者は次の通り(敬称略、カッコ内は肩書、所属) 

▽青木栄一(駿河台大学教授) ▽田尻弘行(鉄研三田会)
▽今津直久(「鉄道ピクトリアル」編集長) ▽種村直樹(レイルウェイ・ライター)
▽楓千里(「旅」編集長) ▽鳥居聡(「じゃらん」編集長)
▽国井明彦(鉄道旅行検定の『鉄道博士』) ▽中村直美(「旅の手帖」編集長)
▽小池滋(東京女子大学元教授、赤門鉄路クラブ) ▽三宅俊彦(鉄道史研究家)
▽小日向泰治(早稲田大学鉄道研究会幹事長) ▽宮田寛之(「鉄道ファン」編集長)
▽竹島紀元(鉄道ジャーナル社社長) ▽吉川文夫(鉄道友の会副会長)


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