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伏木富山港

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歴史のロマンが漂う伏木、富山、新湊の三つの地区からなる伏木富山港は、日本海沿岸のほぼ中央部に位置し、古くから日本海側の重要な港として栄えてきた。



《中世から現代へ続くみなと》
  富山県高岡市と射水市を流れる小矢部川河口に位置する伏木地区は、伏木、新湊、富山の中で最も古くから栄えてきた港で、天平18(746)年、歌聖大伴家持が越中国守として着任した当時から河口港として利用されていた。  
万葉のころから栄えてきた伏木港
  明治32年に開港場として指定され、当時の輸出品は塩と米で60%以上、輸入品では塩魚が大部分を占め、現在は紙パルプ、化学を中心とする臨海工業地帯や石油基地が立地し、さらなる港湾機能強化のため外港展開を行い伏木外港多目的国際ターミナルが今年3月に完成、今後の貨物量の増大や地域産業の活性化が見込まれている。またロシア・ウラジオストクとの間に旅客船が就航しており、利用者が年々増え国際交流も広がり国際色豊かな港になっている。

 伏木の町は、歴史が深く古い文化の薫りを漂わせる魅力のある町である。万葉集の編纂者として知られる大伴家持が約5年間滞在したため、市内には万葉ゆかりの地が随所に点在する。中でも「高岡市万葉歴史館」では、万葉集にまつわるイベントやそれらのさまざまな資料などが企画展示され、「万葉集」の研究施設となっている。庭園には歌に詠まれた万葉の草花が咲き、「家持劇場」などの映像を通して万葉の世界を楽しむことができ、まるで平安の時代へタイムスリップしたかのような雰囲気に包まれる。
《復活した活気と回船問屋街》

かつて国内交易の主船だった北前船
 富山市内を流れる神通川河口に位置する富山地区は、江戸時代の万冶次元(1658)年の洪水以降、東岩瀬港として利用されている。江戸時代後期には、大阪と北海道(蝦夷)松前を結ぶ北前船交易の寄港地として積荷の売買が盛んとなり、明治中期ころまで賑わった。北前船衰退後は、大正時代末期に川と港を分離する工事に着手し現在の港の姿となった。その後改良が行われ、背後には工場が多数立地し、富山北部地域の工業発展に大きく貢献した。

 最近の話題では、4月29日に「富山ライトレール富山港線」が開業した。JR西日本が運行していたJR富山港線を引き継ぎ、一部路面電車に転換し本格的なLRT化を図ったもので、全国でも初めての試みである。港がある終点の岩瀬浜駅には江戸時代後期から交易において活躍した、北前船に深く関わった「回船問屋森家」があり、昔ながらの屋敷が見学でき当時の繁栄がうかがえる。
海南の風情が残る森家
この森家を中心とした古い街並みを再現しようと、富山市などによりレトロな回船問屋街に造りかえる計画が進められ、情緒豊かな風景を醸し出している。「ライトレール」と「港の歴史や文化」という新旧入り交じった相乗効果に期待が広がる。

《市民に親しまれるベイスポット》
 伏木地区と富山地区の中間に位置する新湊地区は、昭和39年に富山・高岡地区新産業都市地域の指定を受け、方生津潟を掘り込むことにより昭和43年に富山新港として開港した。現在は3地区の中核地区であり、周辺地域には富山県を代表する観光スポットが隣接している。中でも「海王丸パーク」は、名前の通り「海の貴婦人」の呼び名をもつ帆船海王丸が係留されている。海に関したさまざまなイベントが開催されており、年に数回行われる総帆展帆では、ひときわ優美な姿が市民に親しまれている。  また同地区の近海をはじめとする富山湾は、多種多彩の魚介類が水揚げされ、まさに魚の宝庫。白エビやホタルイカは特に有名である。射水市内のお店では、四季を通じて新鮮な地物の魚介を美味しく堪能することができる。



    富山新港に生まれ変わった放生津潟  
  開港第ー船三河丸の入港    

近年、北東アジアの急激な経済発展によって経済活動・交流が活発化してきた。ここ伏木富山港は、環日本海諸国と交易に適した地理条件を生かし貿易が飛躍的に増大してきた。また東京、大阪、名古屋の三大都市圏とほぼ同距離に位置し、環日本海国土軸の中枢を担う「国際貿易港湾」・「国内流通港湾」として現在に至っている。3地区は、それぞれ取扱貨物や船の種類に応じて役割を分担し着実に実績を上げている。富山県はアルミ、銅、木材、製紙、薬品、機械など地域の特性を活かした多様な産業が立地していて、日本海側有数の経済・工業の集積県であり、日本海基軸の生産活動の中心拠点、「ものづくりの県」として発展を成し遂げている。
伏木富山港は,まさ北東アジアの中心

 コンテナ貨物の取扱量の増加及び船舶の大型化に対応するため、平成14年には新湊地区に大規模な係留施設や埠頭用地(荷捌き地、野積場)、大型クレーンを備えた多目的国際ターミナルが共用を開始した。それにより5万トン級船舶が着岸できるようになり、貨物の取扱量が急激に増加した。また本ターミナルは、耐震強化岸壁として整備されており、緊急物資や災害復旧物資の輸送拠点としても活用できる。これらにより地区全体で5万トン級船舶2隻、1万5千トン級船舶6隻が係留できる岸壁が整備され、環日本海の交流を目指した拠点港として着々と港湾施設の強化が図られている。
 伏木富山港における外貨コンテナ貨物量は、日本海沿岸諸国の中国、韓国、ロシアなどとの輸出入の増加から、この5年間で約1.5倍に伸長した。これらの対岸諸国の経済が拡大することにより、日本との貿易はますます増大し富山県が日本海国土軸の中心を担って発展するために、伏木富山港の重要性は一層高まっている。  昭和61年に外国との貿易上重要な港として特定重要港湾に指定された伏木富山港は、今年で20周年を迎える。人々の暮らしを支える重要な港として今後も港湾の機能拡充が求められている。



富山の四李と調和したデザイン

伏木富山港の物流・交流拠点の中心となっている新湊地区。航路により隔てられている東西地域の一体化のため、橋の建設は地元の人たちの願いとなっていた。その長年の夢が実現に向け動き出したのが、臨港道路富山新港東西線の着工である。橋の全長は3.6キロメートル、橋梁部分は約600メートル、高さ127メートルというスケールの大きな斜張橋である。この橋の特徴は、橋げたの下にいつでも安心して利用できる全天候型の自転車歩行者道が設けられたことである。雨・風・雪の心配がなく、気軽に快適に富山湾や立山連峰の景観を楽しみながら橋を渡ることができる。東西には自転車、車椅子が向きを変えずに乗り降りできるウォークインスルー形式のエレベーター設置などバリアフリーにも配置し、歩行者は橋を6〜8分で渡れるようになる。デザインは、立山連峰を背景とした富山の四季と調和するよう配慮され、耐風、耐震、耐久性も万全で災害に強い設計となっている。

 この橋は平成20年代前半に完成する予定で、今まで国道415号を大きく迂回しなければならなかった東西地域間(堀岡から越の潟)が、車の場合で今までの3分の1の時間(約10分短縮)になり、走行距離の短縮からCO2の削減や円滑な交通の確保も期待されている。また、東西地域を結ぶ物流の効率化や交通アクセスの向上により、富山地区などへコンテナ貨物をスムーズに運ぶことができ、広域幹線道路との連結によって物流の円滑化を図ることができる。また、西側埋立地にある海王丸パークは、年間最大80万人もの集客を誇る一大観光スポットとして親しまれており、橋が完成すれば地域のシンボル、ランドマークとしてさらに多くの県内外からの集客が見込まれる。
 地元射水市でも、臨港道路富山新港東西線の完成を地域活性化の大きなチャンスと捉えている。同市は「みなとまちづくり戦略会議」を設立した。中には富山商船高等専門学校の学生等による「富山商船高専のまちづくりへの提言」や、地元小学生が総合学習で子供の夢を描いた「未来のみなと」の姿など、若者の意見も積極的に取り込まれており、これらを活かしたまちづくりは着実に進んでいる。  今後は、臨海都市と市街地がより連携され物流、交通、交流がさらに活性化し、地域資源を活かした積極的なまちづくりが目指されている。魅力的な夢の架け橋の一日も早い完成が期待されている。
地域のシンボル・ランドマークとなり港臨道路富山新潟東西線



海フェスタにあわせ新海王丸が平年15年10月以来の寄港予定。

四方を海に囲まれた日本は、古くから海と密接な関わりを持ってきた。海は豊かな海産物の恵みを与え、海を利用することで今の日本の産業・経済の発展があると言っても過言ではない。さらに最近では海洋開発やマリンスポーツ・ウォーターフロントの整備によって海は一層多様化した身近な存在として、海を利用する機会も増大している。  昭和61年から国民の海への関心を一層高めてもらおうとの趣旨から、全国の主要港湾都市で「海の祭典」が開催されてきた。平成15年からこの「海の祭典」が、より効果的な海の啓発宣伝の場として、より地域に密着したものとなるよう「海フェスタ」と改称し、今回で通算21回を数える。今年は伏木富山港が特定重要港湾に指定されて20周年を迎えることから、7月15日(土)から23日(日)の9日間にわたって、県内各地で記念式典やフォーラムなどの様々な催し物が実施される。
 「海フェスタとやま」では、富山らしさを盛り込んだイベントが企画され、富山の特産品やスポットを全国に発信する場として、県内外の人々に富山の魅力をアピールしていく。主な催し物は、記念式典、祝賀会、大型施設や大型浚渫兼油回収船「白山」の一般公開、監督測量船「なごかぜ」による港見学会、海の総合展、特定重要港湾指定20周年記念あいの港シンポジウムなどである。マリンフェスティバル、マリンスポーツといった参加型交流イベントも同時に開催される。  これら参加・体験型の交流イベントを通して、県内外の多くの人々との輪ができ、普段体験することのできない海の魅力を再発見してもらうことで、海の恩恵に感謝し、「海の日」の意義を再確認してもらうよう期待されている。    船内がー船公開される大型浚渫兼油回収船「白山」。

ほっと ほくりく06.7より




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